background-image:url(https://blog-imgs-138.fc2.com/m/o/o/moonlight171/leaves-pattern.png); CROSS†CHANNEL - 美少女ゲーム感想

CROSS†CHANNEL

テル

テル

CROSS†CHANNEL、クリアしました。
元々気になっていた作品、ふとプレイしてみたくなったので手を出しました。
実は10年ほど前に全年齢版をちょろっとプレイしたのですが、話が飛び飛びすぎて理解できずにやめてしまった記憶があります。
例のごとく、キャラ別の感想を綴ります。

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以下、本編のネタバレを含みます。
●桐原冬子
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冬子との出会い、冷たく、どこか儚い印象を受けるBGMと立ち絵に釘付けになります。
人を寄せ付けない刺々しいオーラ、しかしお嬢様ゆえに人に依存しなければ生存できない。
食料や水は(手段を問わなければ)いくらでも手に入るにも関わらず、尊厳や誇りが足枷となる。
行きつく先は餓死、ベッドに横たわる彼女の姿には息を呑みました。
他者に依存すると際限なく溺れ、どこまでも相手に寄り掛かる。
彼女の心を壊さないように、付かず離れずの距離を保ちつつ最後まで接した太一の姿は胸打ちましたね。
ハラキリ丸が出てくるシーンでは、毎度自然と笑みがこぼれましたね。平和一番、エクトプラズマー

●宮澄見里
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涙腺キラー。
彼女の紡ぐ言葉の一つ一つが心に染みわたり、何度も涙ぐみました。
怪我をした先輩と太一の保健室でのやり取りは、この作品で最も好きなシーンです。
群青とは最も遠い存在のように思える彼女ですが、物語が進むに従い暗い本質が浮き彫りになります。
規則を絶対視する、たとえそれが自分の心に相反するものであったとしても・・・
辛いですね、自分の意と反して他者を傷つけるという意味では太一と同じです。
弟の友貴との断絶も決定的なものでした。
先輩と友貴、二つの立場を、心を理解できる太一だからこそ和解にまで至ったのだと強く感じます。

●佐倉霧
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クロスボウはやめれ~
まさに火が付いた爆弾、彼女を起点として物語は崩壊を始めます。
太一に対して明確な殺意を抱くキャラ、たった一週間で埋めるにはあまりにも深い溝があります。
霧の精神も徐々に追い込まれ、太一の心に無数のナイフを突き立てます。
報復とばかりに屋敷での豊の仕打ちを告げるシーンで、「この二人は和解不能」と頭を抱えました。
「お前の兄さんは○○○○」と耳元で黒く囁く、霧を壊すため。
だからこそ、後に太一が霧を極力傷つけないように、思いやりながら豊の過去を語るシーンがとても尊く映りました。
相手に伝える言葉一つで、同じ真実でも全く違う結末に至るのだと・・・

●山辺美希
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物語のジョーカー、一つ上の次元から世界を観測していた後輩。
ループ世界の中で記憶を引き継ぎ、徐々に生き残るために手段を選ばなくなって行った美希。
霧と太一と3人で夕日を見た際に流した涙、彼女の心がまだ壊れてしまっていなかったことが本当に救いでした。
あのまま続けていればどうなっていたか、少し怖いです。
それでも、退廃した閉塞空間での彼女の明るさは救いでした。
あと立ち絵が全部可愛い。ふんぞり返って得意げにしてるやつは特にいい、可愛い。

●支倉曜子
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太一の半身、美希がジョーカーならこちらは物語のラスボス的存在。
これまで完璧超人っぷりを散々見せつけられた後にくるあの展開。
やり直しがきかない太一の長い闘い、その最後に立ちはだかった壁。
早々に彼を監禁、この時点でほぼ詰み。絶望感が広がりました。
感情も無く、ただ機械のように動くイメージが積み重なった彼女が、唯一取り乱す屋敷での真相。
太一も言っていましたが、いっそ切り捨てることができれば良かったのですよね。
適応係数など細かい情報が開示されなかった彼女ですが、太一の傍にいるために全て裏から根回ししたのではないかと思えてなりません。それこそ地の果てまで追従しそうですし・・・
元の世界に戻ってから、彼女自身の糧が見つかることを切に願います。

●黒須太一
飄々とした態度、セクハラしてボケてぶっ飛ばされて・・・
破壊衝動と表裏一体の彼が、こんな些細な日常を送るのに、一体どれだけ細い綱を渡っているのか。
自分の持つ異常性、危険性について本人が一番理解しているからこそ、人から距離を取っていた
それでも繋がりが欲しい、矛盾している、相手を傷つける恐怖、悪意をぶつけられることで消耗する心。
些細なきっかけから一瞬ですべてが崩壊する気が狂いそうな精神の中、常におどけた態度を崩さず人に寄り添おうとする姿勢は読み手の胸を強く打ちます。
ADV主人公の中でもトップクラスに好きなキャラになりました。格好いいよ、太一。

【総評】
傑作です、それ以外の言葉も出ません。
閉じた世界、その中での人との繋がりと心を密接に描き切った傑作。
本当は友貴、桜庭、ななか、豊、全員の感想を綴りたかったのですが、あまりにも記事が長くなりすぎるので断念しました。
登場キャラの全てに深い意味があり、誰一人欠けても成立しない物語です。
ここまでの密度のストーリーには久々に出会いました。やはり名作には名作たる所以があるということですね。
全年齢版のストーリーが破綻していたのも納得です、陰惨な闇の部分を描かずしてこの作品は成立しえません。
10年の歳月を経て、再びパッケージを手に取ることができた偶然に感謝を・・・

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生きてる人、いますか?
Posted byテル

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